バレンティン2
「じゃあ…あそこに寝っ転がって欲しいな」
指差したのはいつも使っているベッド。
「え?なんでベッドに…」
「いいからいいからっ」
背中を押され、言われるがままに仰向けになると団長はマウントを取るように跨って来た。
「だ、団長さん?」
「ちょっと待ってね…はいっ」
箱の中からチョコを取り出す。どうやら食べさせたいようだ。
「食べさせるだけなら寝っ転がるなくても…あー…」
「むっ」
持っていたチョコを食べる…団長が。
「えっ?」
予想外の光景に思考が追いつかないでいると、
「すき…んぅ」
「んっ…!?」
彼女は飲み込むことなくサフランにキスをしたのだ。
「んっ…ちゅ、んぁ、ちゅく、ぴちゅ…」
「んんぅ!?んちゅ、ちゅぅ、くちゅっ」
条件反射か普段のようにキスを返す。
口の中をビターな香りと彼女の甘い味が広がった。
「ぁ…ちゅ、えへへ、おい、しい?」
蠱惑的な微笑みがサフランの思考を遮る。
「うん…あまくて、おいしい、わね」
「ほんと?じゃあ…いっぱい食べてほしいな。…私ごと、ね?」
再び団長はチョコを口に含む。
目を閉じ、彼女のプレゼントに溺れていった。
#すずめのひとりごと