バレンティン2
「じゃあ…あそこに寝っ転がって欲しいな」
指差したのはいつも使っているベッド。
「え?なんでベッドに…」
「いいからいいからっ」
背中を押され、言われるがままに仰向けになると団長はマウントを取るように跨って来た。
「だ、団長さん?」
「ちょっと待ってね…はいっ」
箱の中からチョコを取り出す。どうやら食べさせたいようだ。
「食べさせるだけなら寝っ転がるなくても…あー…」
「むっ」
持っていたチョコを食べる…団長が。
「えっ?」
予想外の光景に思考が追いつかないでいると、
「すき…んぅ」
「んっ…!?」
彼女は飲み込むことなくサフランにキスをしたのだ。
「んっ…ちゅ、んぁ、ちゅく、ぴちゅ…」
「んんぅ!?んちゅ、ちゅぅ、くちゅっ」
条件反射か普段のようにキスを返す。
口の中をビターな香りと彼女の甘い味が広がった。
「ぁ…ちゅ、えへへ、おい、しい?」
蠱惑的な微笑みがサフランの思考を遮る。
「うん…あまくて、おいしい、わね」
「ほんと?じゃあ…いっぱい食べてほしいな。…私ごと、ね?」
再び団長はチョコを口に含む。
目を閉じ、彼女のプレゼントに溺れていった。
#すずめのひとりごと
妄言
「ええと…こうかしら、重くない?」
彼女ーーサフランはベッドに脚を投げ出し座るこちらの背に腕を回しながら膝の上に座ってきた。
重いとは感じない、むしろ体格の割に軽いと思ったくらいだ、と伝える。
「ほんと? ふふっ、お世辞でも嬉しいわ」
彼女はこちらに身を預け、しっかりと抱きついてきた。
体勢が崩れぬよう彼女を軽く抱え座り直す。
その時何も考えていなかったせいか彼女のお尻に触れてしまい、
「ひゃっ、もう団長さんってば…座り直す為とは言えあんまり女性のお尻を鷲掴みにしちゃダメよ?」
叱られてしまった。
「でも…ちょっとだけ気持ちよかったから、許してあげる」
再び抱きついて来た彼女はすんすんとこちらの匂いを嗅いでいく。
肩、首、喉元、胸元。
「団長さんの匂い…なんでかしら、すごく落ち着くの。 だから…好き」
目の前のサフランが上気した顔と少しだけ潤んだ目でこちらを見つめる。
その時、意識したせいかふわりと感じた葡萄の匂い。
ああ、そうか、だから彼女はこんなにもーー
「団長さん、好きよ、愛してるわ…」
目を閉じゆっくりと近づく。
ワインの匂いが鼻を突き抜けた。
ウェルウィッチアちゃんの服に包まれたふわふわおっぱいに顔を埋めたい